本文へ移動
アルミ蒸着袋とは?
用途や特徴、アルミ袋との違いを紹介
様々な製品のパッケージ・包装にアルミ素材の袋が使われています。その1つが「アルミ蒸着袋」です。数多ある包装材の中から、アルミ蒸着袋がなぜ製品パッケージの主役の1つになったのでしょうか。
 
この記事では、アルミ蒸着とアルミ袋との違いや、アルミ蒸着袋の用途や特徴などを紹介します。
  

アルミ蒸着袋とは

「アルミ蒸着袋」とは「アルミ蒸着フィルム」を製袋加工した製品です。アルミ蒸着フィルムは、アルミニウムを真空状態で加熱蒸発させた微粒子をフィルム表面付着させたもので、ガスバリアー性、防湿性、保香性などに優れており、紫外線・赤外線の遮断効果もあります。
 

アルミ蒸着袋とアルミ袋との違い

アルミ蒸着袋によく似ていて、アルミ蒸着袋と混同されやすいパッケージ・包装材に「アルミ袋」があります。
アルミ袋はアルミ箔にPET(ポリエチレンテレフタノール)、PE(ポリエチレン)などの素材を貼り合わせたラミネートフィルムを製袋加工したフィルム材です。主要素材がアルミ箔ならではの遮光性、防湿性、保香性などに富んでおり、これらの性能を最も必要とするサプリメント、コーヒー豆、紅茶、緑茶など茶葉類の包装材として主に利用されています。
アルミ袋が開発されるまで、コーヒー豆、紅茶、緑茶などの茶葉類は内側にブリキを張った木製の茶箱に入れて輸送、保管し、小売の店頭ではブリキ製の茶筒で販売されていました。
ブリキは遮光性と防湿性がありますが、茶箱や茶筒の中の酸素と反応するので、茶葉類の命とも言える保香性を保持できませんでした。この長年の難題を解決したのが茶葉類をアルミ袋に真空包装する技術でした。
そしてアルミ袋は現在、茶葉類以外にも遮光性・防湿性・保香性を必要とする食品から医薬品、化粧品などのパッケージ材として広く用いられています。
 

アルミ蒸着袋の用途

アルミ袋には劣りますが優れたガスバリアー性、防湿性、保香性、遮光性をもち、キラキラとした銀色の光沢を放つアルミ蒸着袋は、以下のような用途で広範に用いられています。
 
  1. 菓子類のパッケージ
  2. レトルト食品の包装
  3. サプリメント・健康食品の包装
  4. 防湿性や遮光性が不可欠な電子部品・マスクなどの衛生用品の包装
  5. 酸化防止が必要な食品・化粧品の包装
 

アルミ蒸着袋の素材と特徴

アルミ蒸着袋の主要素材は、フィルムとアルミニウム粒子です。よってアルミ蒸着袋は、フィルムの加工適性と、アルミニウムの優れたバリア性、遮光性を併せ持つ袋となっています。
 
アルミ蒸着フィルムの主要素材として使われるのは、次の3つです。
  1. VMPET……PET(ポリエチレンテレフタレート)はポリエステルの一種。PETを主要素材にしたアルミ蒸着フィルムは、特にバリア性が優れている
  2. VMCPP……CPP(無延伸ポリプロピレン)は延伸(縦横に引き伸ばす)加工をせずそのまま使用できるフィルムで、CPPを主要素材にしたアルミ蒸着フィルムは、引き裂き圧力に負けない強さがある
  3. VMOPP……OPP(二軸延伸ポリプロピレン)は延伸加工をしたフィルムなので、OPPを主要素材にしたアルミ蒸着フィルムは、引き延ばし圧力に負けない、伸びにくい特性がある。
 
 
さらにアルミニウムは、次の特性を有しています。
  1. 軽くて強い……アルミニウムの比重は2.7程度であり、鋼材の約3分の1。さらにアルミニウムに銅、マンガン、ニッケルなどの金属を配合した「アルミニウム合金(ジュラルミン)は比強度(密度あたりの引っ張り強度)が高いので、航空機の機体・翼、鉄道車両の車体、建築材料、家電の筐体など幅広い用途に用いられている
  2. 腐食しにくい……アルミニウムは酸素と反応しやすく、その表面は緻密な酸化皮膜で覆われており、この酸化皮膜がアルミニウムの腐食を防ぐ保護層になっている。アルミニウム合金はこの耐腐食性を生かし海洋鉱物資源開発プラットフォーム、船舶などの構造材料として用いられている。
  3. 加工しやすい……アルミニウムは延伸性に富んでおり、塑性加工に適している。また融点が低く湯流れが良いので鋳造にも適しており、様々な加工が可能。このためアルミ箔から複雑形状のアルミ箔加工品まで、様々な包装材の素材に用いられている
  4. 熱伝導に優れている……アルミニウムの熱伝導率は鉄の約3倍。熱を伝えやすいため、アルミニウム合金は自動車のラジエータ、熱交換器の部品・配管、電子機器の放熱器などに用いられている
  5. 磁気を帯びない……アルミニウムは非磁性体なので、周囲に磁場があっても磁気の影響を受けない。この特性を活かしアルミニウム合金は医療機器、船舶のコンパス、パラボラアンテナ、超伝導関連製品などの材料に用いられている
  6. 見た目が美しい……銀色の光沢を放つアルミニウムは素地の状態でも美しい材料だが、アルマイトなどの表面処理を施せばより美しい材料になる。さらに多彩な色を付ける電解着色も可能。電解着色を施したアルミニウムはデザイン性が高いので、建物の外壁材や梱包材にも用いられている
 
 

アルミ蒸着袋の特徴

 
アルミ蒸着袋はフィルムの美しい光沢感を存分に活用したデザインと彩色を実現。複雑な袋形状にも対応することが可能です。バリア性、遮光性もありますので例えば以下の用途として使われています。
 
  1. 化粧品のパッケージ材
  2. 衛生用品の包装材
  3. 湿気を嫌う野球・テニス・サッカーボールの包装材、ゴルフバッグの内張などを始めとする各種スポーツ用品の部材
  4. 食品パッケージ材
  5. 文房具・ポスター等ステーショナリーのパッケージ・包装材
  6. 生花・観葉植物を始めとする花卉の包装材
 
 
アルミ蒸着袋には三方袋、サイドシール袋、合掌袋などのラインナップがあり、基本はすべてユーザー個別対応のオーダーメイドです。弊社では、ユーザーの袋製作に企画段階から参画し、ユーザーの皆様のご希望にあわせて柔軟にご提案しています。
 
 
中でもセリースパックは、弊社が開発した「吊り下げ式パッケージ」の登録商標で、包装材業界では吊り下げ式パッケージを総称して「セリース袋」と呼ぶほど、今や吊り下げ式パッケージの代名詞となっています。
またセリースパックは様々な製品のパッケージングや包装に対応できるよう、上入れ・下入れの標準的な吊り下げタイプ、マチ付の立体タイプ、合成紙の台紙付きタイプ、ポケット付きタイプ、何度も出し入れができるチャック付きタイプ、通気性があるネットタイプなど多彩なバリエーションを揃えています。
 
 
  

まとめ

軽くて強く、腐食しにくいアルミニウムは、開発されてから200年ほどの間に航空機、鉄道車両、船舶の構造材、電子機器の放熱材などとして、製造業の主要材料の1つに進化してきました。さらに20世紀後半以降は、アルミ蒸着袋を始めとする製品パッケージ材としても広く用いられています。
 
特にアルミ蒸着袋は機能性と美粧性の高さから、製品パッケージ材としてなくてはならない素材の1つになっています。この素材力を存分に引き出し、多彩なパッケージ・包装ニーズに対応することができるのがアルミ蒸着袋です。

本社所在地
株式会社ヤマガタグラビヤ
【大阪本社】
〒581-0038
大阪府八尾市若林町2-99
TEL:072-949-9456(総務)
FAX072-949-4608(新)
2022年12月12日に変更に
なりました。
旧FAX番号は廃止と
なります。
TOPへ戻る